良い攻撃は良い守備から〜J2第2節 ジェフユナイテッド千葉VSアルビレックス新潟〜

レビュー

 前節はしっかりとした守備組織を披露したもののスコアレスドローに終わってしまったアルビレックス新潟。第2節はアウェイでジェフユナイテッド千葉と対戦した。

 新潟は前節と同様に4-4-2。千葉は4-1-4-1でスタート

 前節同様に新潟はボール保持をある程度放棄し相手にボールを握らせて、組織的な守備からカウンターを狙うという試合であった。昨年よりもプレスのスイッチを入れる判断や、誰かが空けたスペースを埋めるスライドの動きがチーム内で共有されており、チームとして守備ができるようになったのが今年の新潟である。

 相手のビルドアップに対して相手のビルドアップに対してFW2枚と中盤4枚が六角形を形成するようにポジショニングすることで中央を締め、外に誘導してからボールを奪う形がよく見られた。中にボールが入っても六角形が収縮するようなイメージでFWはプレスバック、サイドハーフは中に絞りボランチもボールホルダーを囲む。

 そんな新潟に対し、千葉は外に運ぶことが多く、インサイドハーフも低い位置でボールを触るので中央にはクレーベのみとなり、なかなか中を使ってボールを運べないのでクリティカルな攻撃を打つことができない。

 新潟はカウンターからレオナルドが良い形でシュートを打つシーンが多かったがゴールを破れないのでスコアは動かない前半序盤であった。

田中達也のゴラッソを生み出した守備

均衡を破ったのは新潟であった。前半30分、相手陣内で戸嶋が奪ったボールを田中達也がエリア外からミドルシュートが突き刺さる。コースや距離を考えるとゴラッソと言える気持ちの良いゴールであったが、このゴールの前に良い守備があったことを忘れてはならない。このゴールには前述したような新潟が狙いたい守備が詰まっている。

【公式】ゴール動画:田中 達也(新潟)30分 ジェフユナイテッド千葉vsアルビレックス新潟 明治安田生命J2リーグ 第2節 2019/3/3

このゴールが生み出した守備を順に見ていこう。

 前半28分に新潟のオフサイドによる低い位置でのセットプレーからビルドアップを開始した千葉。それに対し、新潟は前線2枚と横にコンパクトな中盤4枚でボールをサイドに誘導する。誘導された先のウイングにはこちらのサイドバックがマークしている。そこにボールをつけることができないので千葉はズルズルと下がっていく。ボールポゼッションの位置が下がった段階で田中達也はボールホルダーにプレスを開始してプレスのスイッチを入れる。そしてこの後の流れに注目したい。

①レオナルドが中を切るように増嶋へアプローチ。降りてきた船山には加藤大がマークしているためサイドに位置する小島を選択。(この時小島は自分が相手のプレスにハマることを予測しているのかボールを中央につけるよう指示している)

②高木は小島に対して中を切るようにアプローチ。この段階で田中達は小島に熊谷を経由させないようにエベルトから離れ熊谷を消すポジショニング。

③選択肢を消された小島は高い位置からボールを受けに降りてきたゲリアにパスをつけるが、選択肢が絞られたことによりサイドバックの渡邊泰基は持ち場を離レテゲリアをマークし続けボールを奪うことに成功

 その後ボールが中に流れるが、逆サイドから中に絞っていた戸嶋がイーヴンな状態から田中達にボールを繋ぎ、ゴールを奪った。前の選手の誘導に後ろの選手も呼応し、相手に圧力をかけたこの流れは素晴らしく見事なゴールシーンであった。

スペースを埋める意識の差

 後半に入ると千葉はアランとクレーベの2トップに変更することで中に起点を増やした。前半よりも押し込まれる展開が続いたが、前半同様しっかりと中央を締め、最後のところでもセンターバック2枚を中心に相手の攻撃を跳ね返した。

 良い形でシュートを打たれるまではないものの押し込まれることが多くなった新潟は56分に田中達に代えて渡邉新太、レオナルドに代えて矢野貴章を投入する。
昨季同様田中達は60分でのプレーに限定するような起用法である。

 対して千葉は新潟に対して強引にサイドから活路を生み出す狙いからか、60分に下平に代えて大型サイドバックの乾を投入する。

 しかし状況は変わらず次に得点したのはまたも新潟であった。

 右サイドでボールを受けた戸嶋は相手の左サイドバックとセンターバックの間に走った矢野貴章の前にボールを出し渡邉新太からパスをフリーで受けた高木がゴールを決めた。

【公式】ゴール動画:高木 善朗(新潟)70分 ジェフユナイテッド千葉vsアルビレックス新潟 明治安田生命J2リーグ 第2節 2019/3/3

 前半から千葉はセンターバックとサイドバックの間のスペースを使われ、センターバックをサイドに釣ると、中央をその選手の代わりに埋める意識が千葉は薄く、ここから得点が奪えそうな気配があったがそれが得点に現れた形だ。

 この後千葉がセットプレーで得点を奪い、追撃の狼煙をあげるものの、矢野貴章がディフェンスラインの背後を抜けてシュートを決め3-1となり、さらに終盤に新井がゴールを決めるが、この4点目もセンターバックとサイドバックの間を新井がついて相手のディフェンスラインを崩して奪った点である。

 新潟と千葉のスコアの差は帰陣であったりスライドで持ち場から動いた選手のスペースを埋める意識の差であったように思える。

最後に

 新潟は田中達のゴラッソや大卒ルーキー新井の衝撃的なゴール等4得点を奪う快勝となった。組織的な守備からのカウンターを中心とした攻撃までの流れが整理されており、チームの狙いがピッチによく現れている。

 少ないチャンスをものにするサッカーをする以上、今日のように、カウンターやセットプレーでいかに得点を奪うことができるかが順位を上げていく上で重要になってくる。三浦文丈監督時代にも守備の手応えを感じながらもなかなか得点が奪えず、攻撃的な選手を増やしたことでバランスを崩し泥沼にハマった苦い経験がある。同じ轍を踏まないようにしたいところである。

 次節の相手である柏ではここ2試合で手応えを得ている守備を崩すクオリティを持っているがそのような相手にどこまで通用するのかはとても楽しみである。

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