課題をクリアしより上へ〜J2第22節 アルビレックス新潟VS横浜FC〜

レビュー

16戦無敗の大宮にホームで勝利してシーズンを折り返した新潟。ここで波に乗りたい新潟だが今節の相手は同じ勝ち点29の横浜FC。今季11得点と強力なイバを1トップに置きトップ下には攻撃を司るレアンドロドミンゲスを擁する。この強力な2人をどのように抑えるか。

スタメン

前半

狙うはSB-CB間

横浜FCはコンパクトな4-4-2を敷く。新潟と同じようなやり方であった。ただ横浜FCの方が状況に応じてしっかりラインを上げ下げし、縦のコンパクトネスを維持していた。

対して新潟はゾーン2でブロックを敷けばコンパクトに守れるが、前からプレスをかけにでるとFWがプレスにいったタイミングで中盤から後ろがついていかないのでプレスが空振りに終わるというようなシーンが今まで何度も見られている。

そういったチームとしての守備の練度で言えば横浜FCの方が上手であるかもしれない。

しかし前半序盤は明確にウィークポイントがあった。CBとSBの間のスペースが大きく空くことである。

新潟の攻撃時の狙いはこのスペース。ボールを左右に揺さぶりながら大外に開いた選手にSBを食いつかせ、CBとSBの間にスペースを作り、そのスペースに選手が飛び込んでチャンスを作ろうとしていた。

例えば12分にはチャンスにはならなかったが右サイドで2度もそのようなシーンが見られた。

序盤はこのスペースを使ってチャンスを作る試みが何度もも繰り返され、攻勢に出ていた。

しかしそのままにしておく相手でもなく20分過ぎあたりからSBが釣られずにSHがついてきたり、ボランチが埋めたりとスペースが空きにくくなったが、この試合通じて新潟は狙っていた。

主導権を握れない新潟

前半の中盤から横浜FCがボールを持つ展開になる。
横浜FCはボランチの一角である田代がDFラインに下がって3バックを形成。3-1-4-2のような形になり、佐藤がアンカーに入りひし形を作って新潟の2トップに対し数的優位を確保しビルドアップを開始していた。そしていたるところに顔をだし、新潟が捕まえきれなかったレアンドロ・ドミンゲスを中心にボールを支配した。

それに対し新潟は序盤は2トップがアンカーの佐藤謙へのパスコースを消しながらアプローチにでる。しかし後ろがついてこなかったことや、GKや中に絞ったSHを経由しながら良い状態で左右のCBや佐藤謙にボールを持たれてしまったため、途中から割り切って大宮戦のようにゾーン2で待ち構える守備になっていた。

低い位置で守備ブロックを作る新潟はなかなか最前線のレオナルドにボールが収まらずセカンドボールを奪われて主導権を取り返せない。横浜FCは、ボールを新潟陣内に押し込んだ時点でDFラインを上げてコンパクトにするため、レオナルドがキープしようにも複数人で囲んでボールを回収するようなシーンが多く見られた。

加えてここ2試合猛威を振るったフランシスのロングスプリントを活かしたカウンターも、左SBの武田が右サイドで攻撃しているときはリスクマネジメントで上がらずに下がってフランシスの駆け上がるスペースを消していたためうまくいかない。

ボールを支配されても最後のところで決定的なチャンスを作られるには至らなかったが、新潟はなかなかカウンターに転じることができないため苦しい時間帯が続き、チャンスは11分のレオナルドのヘディングシュートのみとなった。

噛み合わないサイドでの連動

こうなると遅攻でチャンスを作りたいところだが、サイドの連携も今ひとつ噛み合わない。特に右サイドバックの新井が孤立するシーンが見られた。

これでは新井の選択肢が狭まり相手は次のプレーの予測が容易くなる。ボランチがサポートに行くなり選択肢を増やさなければいけない。

この試合だけでなく、サイドで崩そうにも3人目の動きが少なく連動できずにサイドで詰まってしまうシーンが散見される。高木が顔を出せないときはレオナルドがボールを引き出したり、ボランチのサポートを徹底するなど今後に向けての修正点の1つであると考える。

お互い攻めあぐねていたが34分に苦手とするセットプレーからこぼれ球を斎藤に決められてしまう。

【公式】ゴール動画:斉藤 光毅(横浜FC)34分 アルビレックス新潟vs横浜FC 明治安田生命J2リーグ 第22節 2019/7/13

その後はカウエが下がって3バック化し、SBを押し上げることで再びSB-CB間を突けるようになるがチャンスまでに至らず前半が終了した。

後半

分析されていたセットプレー

後半開始、特に大きな変更はなかったが、少し変わった点は、新潟は全体的に前からプレスを掛けにでていたこと、そして前半よりも多くSBを高い位置に押し上げ、前述したようなサイドでのSBの孤立がないようにされていた。

相手が少しもたついたところを前2枚を中心に圧力をかけ、ボランチの戸嶋もアンカーの佐藤にプレッシャーをかけに行く場面もあった。

横浜FCはレアンドロドミンゲスが右の2トップ脇や新潟の前線と中盤の間でボールを引き出しながら崩しにかかる。前半同様決定的な

横浜FCはイバに代えて戸島を投入。するとその3分後にまたもセットプレーから戸島に決められてしまう。

【公式】ゴール動画:戸島 章(横浜FC)69分 アルビレックス新潟vs横浜FC 明治安田生命J2リーグ 第22節 2019/7/13

試合後の戸島のコメントによるとスカウティング通りだったということで、早急な修正が求められる。

--ゴールシーンを振り返って。相手が自分に対して、スペースを空けてマークにつくというスカウティングがあったので、そこをしっかり狙えたのが良かった。レアンドロ(ドミンゲス)のボールの質も良かったので、そこは合わせるだけでした。

https://www.jleague.jp/match/j2/2019/071313/player/

その後新潟は両翼を本間 至恩とチョ・ヨンチョルに、そして矢野 貴章も投入する。本間 至恩を中心に仕掛けるが、相手GK南の好セーブもありゴールを割るには至らず、シーズン後半戦の逆襲といきたかったところだが2−0と痛い敗戦となった。

最後に

スカウティングと準備の質

横浜FCはしっかりと新潟のセットプレーの弱点を突きや新潟のカウンターを防ぐようなリスクマネジメントを徹底した。対して新潟は相手のストロングポイントであるレアンドロドミンゲスを捕まえきることができず、ストレスなくボールを触らせてしまっていた。前節は新潟に準備の質を感じたが、その部分で横浜FCに分があった。

横浜FCはこの試合でやるべきことがはっきりしているように見えたが、新潟は前半から相手のビルドアップをゾーン2で構えるのか、前からプレスをかけにいくのかどうか曖昧なように見えた。どう防ぐかやレアンドロドミンゲスをどう捕まえるかもはっきりさせることができなかった。

今後に向けての修正ポイント

早急に修正しなければいけないポイントはサイドの崩しのクオリティの質とセットプレーでの対応ではないか。

前者は、横浜FCのように選手がどこにポジショニングしていなければいけないかという基準をはっきりさせることではないか。セット攻撃時の配置をしっかりと決めることができれば多少ポジションが流動的になってもどこにポジショニングすればいいのかが判断しやすくなる。現状では狙いが共有できておらず複数の関係で崩しきることができていない。

後者に関してはセットプレー時の役割の整理と、マーカーに手を触れることで離れた時にしっかりと対応できるようにする等、今一度確認し修正しなければいけない。今後も同じようにスカウティングされることは明らかだ。

シーズンが折り返した。修正点を1つずつ消化することでまずはプレーオフ圏内を狙えるような位置に上がらなくてはいけない。

【公式】ハイライト:アルビレックス新潟vs横浜FC 明治安田生命J2リーグ 第22節 2019/7/13

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