打ちひしがれて夏 〜J2第28節 アルビレックス新潟VSファジアーノ岡山〜

アルビレックス新潟2019

早川史哉のベンチ入りと舞行龍ジェームズの復帰という2大トピックで盛り上がる新潟はホームにファジアーノ岡山を迎える。いきなりの舞行龍のスタメンでDFラインの変更がありこの変更が吉と出るのかが注目ポイントとなった。

スタメン

前半

脅威となった岡山の左サイド

新潟はいつも通りゾーン2で待ち構え、ボール奪取力の高いボランチ2枚でボールをひっかけてからフランシスのスピードを活かすようなカウンターを繰り出す狙い。しかしこの試合を通して岡山の攻守の狙いがハマり、新潟のストロングポイントを出すことができなかった。

岡山はゾーン2で構える新潟に対して左サイドを起点に新潟陣内に攻め込んだ。左SBの椋原が大外で幅を取り、左SHの仲間は戸嶋とフランシスの間、ハーフスペースにポジショニングし起点となった。フランシスは内側を切る意識に欠けるので前半序盤は特に仲間を抑えることができず、前を向かれたり、そこを起点に大外の椋原に展開されたり、一度仲間が受けて叩いて戸嶋を動かしてから(パスコースを空けるため)中盤とDFラインの間のハーフスペースにポジショニングするFW山本にパスを通されたりといいように攻め込まれてしまった。更に戸嶋は仲間に間でポジショニングされることにより動きを牽制され戸嶋の前に位置するボランチの喜山にアプローチに出ることができずにいた。その結果フリーで配給されてしまう形に。前半は特にこの左から崩されてしまい、修正することができずにいた。

ここでの修正点は主に2点あると考える。フランシスの内側の意識を強めること。もう1つは2トップがしっかりと相手ボランチを牽制することである。

2点ともこの試合に限ったことではない。フランシスはスライドを怠る癖があり、自分の内側に対して非常にムラのある選手である。加えて外を切るのか内を切るのかという体の向きが曖昧でどちらも許してしまうような対応をしがちである。確かに守備の量は多いかもしれないが、質が高いかは別問題だ。4-4-2のSHをやるのならばさらなる守備の質を妥協せずにフランシスに追求してほしい。前線2枚はゾーン2で構える守備の割に中盤と前線2枚の間が大きく空き、相手のボランチ2枚にスペースと時間を与えることになってしまった。前線2枚の守備の役割があまりみえず、ファーストディフェンダーとしては物足りないと感じる。CB1人の補強で失点数が減るわけではなくむしろ前線からどのように相手の攻撃を方向づけるのかというところが足りないのではないか。

話を試合に戻す。ということで左サイドで様々な問題を抱えていた新潟。まずは相手ボランチにスペースと時間を与えている問題を解決するためにプレスラインを上げて、こちらのボランチを相手ボランチに当てることで問題を解消しようとする。これによりフリーで起点となっていた喜山に対して戸嶋を当てることができるようになった。ボールをこちらの陣内に運ばれて戸嶋がポジションを維持している時も高木が喜山にマークを付くようになる。しかし、ここで左サイドの攻撃の脅威を和らげることができると思いきや、岡山はもう1つ仕掛けを仕込んでいた。

左で起点になっていたフリーの喜山を抑えると、今度は右SH上田が左に加わるムーヴを繰り出した。右から加わるので新太や新井の右サイドのコンビがそこまでついていくことは当然できない。
誰が上田にアプローチに出るかが曖昧になり上田は浮いていた。そこで起点となり岡山は引き続き左サイドで崩しにかかる。これが実ったのが1失点目である。

【公式】ゴール動画:仲間 隼斗(岡山)32分 アルビレックス新潟vsファジアーノ岡山 明治安田生命J2リーグ 第28節 2019/8/17

左サイドで前進すると左サイドまで顔を出した上田に新潟の選手がアプローチにいくことができずにフリーな状態で、エリア内に侵入した仲間にダイレクトにエリア内に決定的なパスを供給される。サイドにいた岡本とマイケルの間を埋めることができず先制点を許してしまう。前節と同じようにエリア外の選手にアプローチに出れずスペースと時間を与えての失点となってしまった。

後半

フランシスを解放したマイケルとシルビーニョ

 後半早々に岡本とマイケルのポジションをチェンジし、48分には新太に代わりシルビーニョを投入する新潟。後半序盤はこの2人が堅い岡山のブロックと椋原のマークで苦しんでいたフランシスを解放する。舞行龍はいわゆる偽SB的な動きで中央にポジショニングし仲間隼人を動かすことでCB岡本から大外に張るフランシスへのパスコースを作ったり、川崎で培ったであろうボディフェイクで相手を外しながらのトラップと正確なボールを供給することで攻撃の起点となる。舞行龍が低い位置で起点となることで仲間隼人を引きつけて左サイドの組織的な守備網に穴ける。そこにシルビーニョが右サイドのライン間でボールを受けることでフランシスとパス交換をしながら右サイドを崩しチャンスを作り、後半に期待が持てる序盤となった。

しかしそんな期待とは裏腹に62分には岡本が岡山のイヨンジェに競り負け、大武がカバーを怠り山本にフリーでDFラインの穴に抜け出され失点してしまう。非常に勿体無い失点だった。

その後、焦りからかシルビーニョが序盤のような高い位置でチャンスを作るようなポジショニングを見せることはなく低い位置でボールを受け、前線に人が少なくなり新潟の攻撃は停滞してしまう。

フランシスと舞行龍に代えて本間至恩と渡邊凌磨を投入するが、至恩がSBの背後をつき作ったチャンスも椋原がゴール前で跳ね返されるなど、得点までこじつけることができず、最後はPKを与え、3失点で試合は終了した。

雑感

攻撃の起点となるマイケルの右SB

今節の最大のトピックスは舞行龍の復帰だろう。うまくいっていた岡本將成を押しのけてCBに入ったが、なかなかうまくいかず後半は右SBに入り素晴らしい働きで右サイドを活性化させた。
絶妙なロングフィードは健在であり、さらに川崎で磨かれたのであろう、相手を外すようなトラップから鋭い攻撃のスイッチを入れるパスは素晴らしかった。右サイドは大外に張るウイングタイプのフランシスのため、アップダウンはそこまで求められないポジションのため適任である。
フランシスの代わりに中央で絞る高木が入ったこともあり途中で交代したがこの試合の数少ないポジティブなトピックとなった。

連動しない攻守

攻撃でも守備でも非常にムラがあるのが新潟である。選手の組み合わせでかなり動きがかわってくるためか、なかなか安定しない。攻撃ではこの試合でいう岡山の山本のようなスペースを作る動きをする選手が少なく3人目の動きも生まれないのでなかなか点が線とならない。

守備でも特に序盤はゾーン2で構えるわりに前線2人の守備位置も4中途半端で緩く、4−4−2の泣き所となるようなハーフスペースのケアがおざなりになってしまっている時間があった。

今のチームは個人のアイディアが噛み合っていないように思え、なかなかチームとしての連動が見えてこない。本当にこの方向性で1年を終えてしまっていいのかと正直思ってしまう。

スポンサードリンク

タイトルとURLをコピーしました