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待望の「継続」がもたらした快進撃。アルビレックス新潟の好調の要因とは。

2021 3/29
待望の「継続」がもたらした快進撃。アルビレックス新潟の好調の要因とは。

22年ぶりの開幕3連勝を飾り、勢いそのままに5連勝でJ2首位に立つアルビレックス新潟。J2に降格してからは周囲の期待とは裏腹に苦しい時を刻んできた。だが今季はここまで順調なスタートを切り、勝利に値する内容を示し続けている。

今年の新潟はなにかが違う

そう思わせるに充分なフットボールを表現しているが、今年はなぜここまで好調なのだろうか。

目次

アルベルト監督の続投と適切な補強

好調な理由の1つに「監督の継続」を挙げる。それは当然至極のことのように思われるかもしれないが、アルビレックス新潟が昨季のチームを率いた監督の続投でシーズンを迎えたことは実に5年ぶり。柳下監督時代まで遡る。

毎年新たなスタートを切っていた新潟。今季は「継続」の恩恵をひしひしと感じているサポーターは多いのではないだろうか。

昨季のチームの要である渡邉新太や新井直人がチームを去ったが、大半の主力メンバーがチームに残った。今季は攻守においてチームが連動する場面が多く、選手同士のプレーのイメージが共有されているような印象を受ける。

さらに昨季のベースにJ2屈指の実力者たちが新潟に加わった。

アルベルト監督が昨季の総括で強化ポイントとして挙げていた「得点力」を補う鈴木孝司や、文字通りレノファ山口を大車輪の活躍で攻守を司った高宇洋。右サイドバックにコンバートされ安定した守備力を発揮している藤原奏哉やJ3得点王の実績を掲げ加入した谷口海斗。

そして10年ぶりに復帰した千葉和彦。

彼らが現在欠かせない戦力として活躍している。

「大半が去年の新潟のサッカーをみて共感し、アルビレックス新潟のサッカーがやりたいと言ってくれる選手がいた。」

寺川強化部長がサポーターカンファレンスで発言していたように、昨年のサッカーの内容をみて加入した選手が多く、ここにもアルベルト監督の2年目で得られた恩恵がいかに大きいかがわかる。

進化したビルドアップ。

自陣から相手陣地までボールを運ぶビルドアップの進化も見逃せない。

昨季までは自陣からボールを前進するにあたってボランチを一列降ろしたり、トップ下が積極的にボールに関与することが多く、相手陣地に到達してもペナルティエリア内に人がいないというシーンが散見された。

しかし今季はビルドアップが進化し、相手陣地でも人数をかけることが可能になっている。

その進化の中心を担っているのはCB(センターバック)離れした技術を披露している千葉和彦だ。

彼は相手のプレスを意に介さずボールを持つが、彼がいることで得られるメリットは3つ。

1つめはボールを持つことでテンポを落とし、味方の正しいポジショニングをとる時間を創出できること。

千葉がボールを持つと自分で保持し続け、意図的テンポを落としていることが多い。いわゆる「球離れが良い」とは逆のプレー。

彼の位置でテンポを落とすことのメリットは味方が正しいポジショニングをとる時間ができることだ。ボールをすばやく動かすと、常にボールが動いている状態なので正しいポジショニングを取りにくい。相手にとって嫌な位置をチームがとる時間をつくることでビルドアップを円滑に遂行できるようになる。

2つめは相手を引きつけることでボールを受けた選手がスペースと時間のある状態でボールを持つことができること。

彼はボールを持ち、相手を引きつけることに一切の躊躇を感じない。
居酒屋のキャッチを無言ですり抜けていくかの如く相手のプレスを簡単にいなしていく。

そうして相手を引きつけることで二手三手先の選手が周囲にスペースと時間のある状態で楽にプレーができる。

3つ目は奪われないという信頼感があるのでボランチは降りずに中盤のエリアでプレイできること。

昨季に比べてボランチが1人DFラインに降りて3バックを形成する比率は低くなっている。相手の2トップが前にプレスをかけにくる場面で、相手の2トップよりも1人多い3バックを形成するのはセオリーであるが、そうじゃない場合も3バックを形成する場面があった。

千葉が安定してボールを持つことができるという信頼があるからか、昨季よりも千葉とマイケルの2人、ないしGK阿部を交えた3人でボールを動かす場面が増えている。

そうすることでボランチ2枚が中盤のエリアでボールを受けることができ、トップ下も必要以上にポジションを下げずに我慢して前にとどまることができている。

この3つのメリットが昨季のフィニッシュの場面で人数をかけれないという問題点の解消につながっている。

プレッシングと統率された守備

守備の練度も更に高まっている。

アルベルト監督が就任してから一貫して取り組んでいるアグレッシブな守備。
前線の選手がいかに攻撃の能力が高くても守備の強度が低いとスタメンで起用されないのは明らかだ。

最前線の鈴木孝司中心サボらずに相手のボールの流れを誘導し、自分たちから仕掛けてボールを奪いにいっている。

今季は相手が後ろでボールを保持している際、新潟はボールを中のエリアに誘導し、ボール奪取力の高い島田譲と高宇洋でボールを刈り取る。

セオリーでは外に誘導してボールを奪うポイントを外に設定するが、ボールを奪うポイントを中に誘導することで奪ったあと、外で奪うよりも有利な状況で、最短距離でゴールに向かうことが可能になる。


このように中にボールを誘導することができるのは、守備の強度が高いボランチ2人と、サボらず規制し続ける前線の選手たちがいるからこそできることで、チームの守備組織のレベルの高さが伺える。

とはいえ90分プレッシングを成立させ続けることは難しい。
プレッシングが相手にいなされたとしても、新潟の守備は綻びをみせないことも成長の証だ。

プレッシングがいなされた瞬間新潟の選手たちはすばやく自陣で4-4-2のブロックを組む。

このプレッシングに行く時、行かずにブロックを組む時の意思統一がチームではっきり共有されており、一連の安定した守備も好調の要因の1つである。

チームはまだまだ成長段階

「私としての総括は、チームは良い方向に進んでいるが、まだ改善点はあるし、道のりは険しい。」

第4節群馬戦のアルベルト監督のコメントの通り、まだチームは成長段階である。

試合のコントロールを失う時間が多く、再び流れを手繰り寄せるのに時間がかかってしまうことや、多くの試合で左サイドの裏を狙われてしまうなど、課題も残されている。

現在は波に乗っているものの、故障によるアクシデントが起こった際、その穴を埋める選手がどれだけ活躍でできるかも昇格するうえで重要なポイントだ。

第2節、長崎戦で苦しみながらも勝利を収めた時、昇格に必要な大事とされる、勝ち切る勝負強さも、結局は継続と自信からくるものなのだと改めて感じた。

長いシーズンなのでうまくいかない時期もきっとあるかと思うが、そんな時でもブレずにここまで築き上げてきたものを信じて1試合1試合臨んでいきたい。

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